失敗を恐れる

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diary

小学生の弟が極度に失敗を恐れる。

算数の問題で初めて触れた問題は、解き方を想像しようともせずに、思考停止状態に陥り、まったく解こうとしない。

わからない問題というものは、なんとなくこうやれば解けるかも知れないという仮定を立て、それを幾通りも試してみて、解決していくものだと思うのだけれど、失敗が怖いから仮定を試してみようともしない。

弟は車のゲームが大好きなのだけれど、それすらもコンピュータに負ける=失敗が嫌で同じコースをずーっと走っているので、全然上達しないし、レースに勝っていくと新しい車が運転できるようになったりするのだが、挑戦しないので全然増えない。

ちょっと頑張れば、ちょっと勇気を出せば、今までよりいい世界が広がっているに決まっているのに。

一歩を踏み出せない奴は馬鹿だ。

失敗したって、なにも損はしない。

経験が溜まり、次の成功に繋がるだけだ。

失敗できなければ成長はない。

僕は腑甲斐無い彼を見て、偏執的なまでに怒る。

なんで家族とは言え、他人の行為にこれほどまでに怒るのだろう。

それは彼の姿が、これまでの僕の姿と酷似しているからだ。

彼が僕のような、後悔に満ちた人生を歩むのを止めたい。

偉そうに書いてきたが、僕は彼以上に失敗を恐れている。

動物じゃないのだから、利益、不利益を考えれば積極的に失敗を取っていったほうが、成長できるというのはわかっている。

だけれど、人の目が怖い、人の評価が気になる。

こんな醜い考え方をする僕のようになってもらいたくはないのだ。

僕も変わっていけるように頑張るから、彼にも必死に生きてもらいたい。

失敗を恐れず、なんでも試していったら、きっと今より素敵な景色が広がっている。